2Dマップなども交えて家の構造をありのままに記録・保存。さらに、物理的な家だけではなく、家主の生活風景も記録することで、研究者が五感で感じた状況をよりリアルに体験できるように配慮しました。
記録した空間をキャンバスとして、東京大学林憲吾研究室の学生が記録したオブジェクトの写真、家主へのインタビューを通して得たストーリーを各シーンに情報として紐付けることで、背景にある時間も含めて理解することができます。
本研究がアプローチしている現象は、普遍的な定義を与えることができない個別の課題です。現場を体験していない誰かが、テキストや写真だけでその全貌を理解することは難しく、対話を始めるには同じ状況を追体験することが必要です。360度記録は臨床研究における対話ツールとして機能する、それを確かめることができるプロジェクトでした。